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【中編】実はよく知らないHSPのこと…理解が深まるミニクイズ

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テレビ番組や書籍などで言及され、大分聞き慣れた感のある「HSP」というワード。

ただ、まだまだ「それなんかのブランド?」「病名?」と思われている方も多いですし、

「知ってる、なんか繊細で生きづらい人のことでしょ?」という、

一面的な部分のみを全体像としてとらえられている方もいます。

そこで、ざっくりとではありますが…

HSPメッセンジャー スペシャリストとしての学びをベースに(皆川公美子さん主宰・HSP未来ラボ認定)「今さら聞けないHSPのこと」を知るミニクイズを作りました。

※本来であれば、このミニクイズは、7月15日のイベントにて行う予定でした(こちらの投稿をご覧ください)

秋田県に出ていた警報級の豪雨予報を鑑みて、急きょ参加をキャンセルしてしまったのですが、当日ご予定を入れてくださっていた方へ向けて、改めてこのサイト上で同内容のものを公開いたします。

長くなってしまうと見づらいので、前編・中編・後編に分けて、画像スライドを使いながら書いていきますね。

長々読むのが面倒なときは、端的にまとめたスライドだけ横スクロールして、シュッと見てください笑

HSPって病名なの?

  • HSPって病気なの?

これに関しては、とても誤解の多いところです。

「子どもが学校に通えなくて……とても感じやすい子なのでHSPかなと思うのですが、病院に診断を受けにいった方がいいでしょうか?」と聞かれることがありますが、前編でふれたように、HSP(HSC)とはあくまでも心理学の概念であり、気質のことであり、病名ではありません。

なので、病院に行ったところで診断書に書かれることもありません。

自分やお子さん、ご家族の特性や気質の解像度を上げて、生きやすい道を探るための、ひとつのツールとして考えていただけるといいのかなと、個人的には思っています。

発達障害とHSPについては、異なるものですが、両方の特性を持ち合わせていたり、または区別のつかないような側面を持っていたりするため、またいずれも血液検査のようにはっきりした数値で診断されるものでもないためか、混同されがちという現状があります。

神経系の特徴とはどういうことですか?

ひとつ前のクエスチョンで「神経系の特徴のことである」と書きましたが、それをもう少し説明したいと思います。

「とても繊細で敏感」ということは、身体感覚の感度が突出して高いのか?

という疑問が浮かぶのではないでしょうか(例えば、視力や聴力の数値がありえないほど平均より高い!など)。

しかし、「敏感さ」を解きほぐしていくと、そういうセンサーとしての感覚器官のよしあしではなく

●センサーからの情報を、どれくらい深く、早く(もしくは遅く)、丁寧に、詳細に処理するか

●または脳における情報処理の仕方

そこにおける個人差である、ということを意味しています。

また、「繊細」「敏感」というと、なんとなくふんわりとした印象かもしれませんが、HSPさんを身体的な面からみていくと

●右脳が活性化している(直感的思考などにかかわる)

●脳の扁桃体の働きが強い(危険察知などにかかわる)

●ミラーニューロンの働きが強い(共感力の強さにかかわる)

といった、確かな物理的な違いがみられることも、アーロン博士は述べています。

あたりまえのことですが、同じ状況、同じ刺激のもとでも、神経系が受ける興奮の度合いは人により大きく異なるわけで、とくにハイリー・センシティブな気質は、受信度の高い神経系を持っている、と言い換えられます。

つまり、敏感さは性格などではないということです。

生まれつきということは遺伝なのですか?

敏感さは、遺伝によるものといわれています。

ただ、どんな遺伝的特性も生活していく中で変わり、環境によっては敏感さがあまり表に出なくなることもあるとされています。

HSPさんは、とかく臆病、心配性、落ち込みがち、弱い……などとくくられがちですが、これは敏感さとイコールではありません。

もともと、敏感さという気質を持っていたことで、育つ過程の中で後天的に生じ、身についたものと考えた方が自然かもしれません。

なぜ高敏感性の人が存在するの?

ここからは、ちょっと生物学的なお話を。

「敏感な気質は遺伝する」ということですが、そもそもなぜ、一見不都合そうな気質が存在するのでしょうか?

それは、ヒトという「種」の生存戦略のためではないかといわれています。

動物には、「行動活性型(アクティブでどんどん行動していける)」と「行動抑制型(物事を熟慮し、慎重に動く)」2つのタイプの神経系があるそうです。

現代では狩りをして暮らすということはありませんが、はるか昔のヒトの祖先は、猛獣や自然現象と戦いながらのサバイバル生活でした。

ヒトも群れを作り生活してきたわけですが、大勢のアクティブ派の中に、注意深く敏感な個体が交じっていることで、危険を予測したり、生き抜く作戦を練りに練ったりして助言することで、群れが絶滅することを回避してきたのではと推察されています。

ちなみに、ヒト以外の種においても、全体の15〜20%の比率で「より敏感な個体」が存在します。

動物学者たちの調べによると、イヌ、ネコ、ゾウ、ハト、ハエなど100種以上において「敏感な個体」が認められたそうです。

わたしはこのことを知ったとき、なんだかすごく腑に落ちて、「存在するべくして存在しているんだな」「自分にも何かしらの役割があるのかもしれないな」と……

ホッとしたというか、得体のしれない納得感が湧いてきたことを覚えています。

では「後編」に続きます。

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プロフィール
藤島 美香子
藤島 美香子
一人ひとりにフィットした働き方・生き方を考えるひと
ユニークな発達特性・気質をもつ一男一女の母。自身もHSP気質。「波乗りのような子育てを、笑いと知恵でどう乗り越えるか」をテーマに日々生きています。ライター業を20年続けながら、多様かつ小さい働き方をウオッチ。つねに何かを学んでいたい性質。現在は、ワーキングメモリのことと分子栄養学を勉強中。「ゆる脱力系」と言われます。
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