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【後編】実はよく知らないHSPのこと…理解が深まるミニクイズ

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テレビ番組や書籍などで言及され、大分聞き慣れた感のある「HSP」というワード。

ただ、まだまだ「それなんかのブランド?」「病名?」と思われている方も多いですし、

「知ってる、なんか繊細で生きづらい人のことでしょ?」という、

一面的な部分のみを全体像としてとらえられている方もいます。

そこで、ざっくりとではありますが…

HSPメッセンジャー スペシャリストとしての学びをベースに(皆川公美子さん主宰・HSP未来ラボ認定)「今さら聞けないHSPのこと」を知るミニクイズを作りました。

※本来であれば、このミニクイズは、7月15日のイベントにて行う予定でした(こちらの投稿をご覧ください)

秋田県に出ていた警報級の豪雨予報を鑑みて、急きょ参加をキャンセルしてしまったのですが、当日ご予定を入れてくださっていた方へ向けて、改めてこのサイト上で同内容のものを公開いたします。

長くなってしまうと見づらいので、前編・中編・後編に分けて、画像スライドを使いながら書いていきますね。

長々読むのが面倒なときは、端的にまとめたスライドだけ横スクロールして、シュッと見てください笑

繊細で敏感なだけじゃないHSPさんもいる?

前編、中編を通じて「過剰に刺激を受けやすく、圧倒されやすい」HSPさんの特性にふれてきました。

ところが、HSPであればみんな強い刺激を避けることを望んでいるのかというと、必ずしもそうではないタイプも存在するのです。

それがHSS型(High Sensation Seeking)と呼ばれる、「刺激を追求する」HSPさんです。

このタイプは、まるでアクセルとブレーキが内在するような、相反する面を持ち合わせています。

D・O・E・Sの4つの特徴を備えながらも、たとえば、

・スリルが好き 

・行ったことのない場所に行きたがる

・型通りの行動やルーティーンが苦手

・環境にすぐ飽きる

・安全だと感じることができれば、新しい人物や物事にすぐに関わっていける

など(あくまで一例です)

「HSPっぽくない!」ように見えるかもしれませんが、新奇性や刺激を求めていく一方で、容易に刺激に圧倒されたり、慢性的に疲れやすかったりという「HSPあるある」も、セットで起こります。

(うちでは、上の子がまさにこのHSS型に当てはまり… なぜ疲れやすいのにいろんな場所に出歩きたがるのか、流行ものや新商品が好きなのか、とにかくいろんなバイトをしてみたいと言うのか、行動や考え方に非常に合点がいったのでした)

さらに、なぜこのようなタイプが存在するのかについては、中編でふれた神経系の特徴が関係しています。

動物には、行動抑制型(慎重)と行動活性型(大胆、アクティブ)、2つの神経系があると説明しましたが、HSS型ではないHSPさんでは、行動抑制システムの方が強く作動します。

一方HSS型では、どちらのシステムも強く作動すると考えられています。

なので、相反しているように感じられるのですね。

割合としてはHSPさんの30%、これを全人口の中で見ると6%の人が、このタイプに該当するのではといわれています。

繊細で慎重な面もあるけど、好奇心のあるものにはガンガン突き進んで止まらない面もあるよな〜と感じる人は、このタイプのこともあるかもしれません。

HSPか、調べられる手段はあるのですか?

ここまでお話ししてきて、じゃあ「自分や子どもはHSPなのかな? 調べる手段ってあるの?」と思われた方もいらっしゃると思います。

特に、HSS型なのではないか? と気になっている方もいらっしゃるかもしれません。

アーロン博士のウェブサイトには、セルフチェックリストが公開されています(日本語)。

アーロン博士のウェブサイトへ
Self-Tests
Self-Tests

このセルフテストは著作権で保護されています。アーロン博士の許可なくコピーしたり、配布使用しないでください。

ただし、あくまでもこれは「診断」ではありませんし、HSPか非HSPかという線引きのために行うものではありません。

「自分という人間」の解像度を上げて、人生をどう心地よく送るか探求するためのツールとして、このテストを使っていただけるといいのではと思っています。

セルフテストのやり方や結果のとらえ方については、上記のアーロン博士のサイトに書かれていますので、見てみてくださいね。

※なお、当アトリエにあるセルフテストのシートは、アーロン博士から使用許可をいただいている「HSP未来ラボ」のものです。

HSPさんの敏感さは、どんな才能につながる?(まとめ1)

これまで、おもに身体面におけるHSPさんの特徴をお話ししてきました。

敏感さは、「物理的に確かに存在する」神経系の違いによるものであり、精神論などとは別個なものであることが伝わったでしょうか?

ここからは、まとめとして「じゃあ、その気質を生かしてどう生きていく?」ということに意識を向けてみたいと思います。

HSPに関しては、刺激に弱い面(O)が大きく目立ち、生きづらさとして伝えられがちですが、深く処理する(D)・共感力が強い(E)・ささいな変化を察知する(S)などの面は、むしろ人と人がともに生きる中でこそ、それが能力となって発揮されるものではないかと、わたしは感じています。

「特にこれが向いている」という特定の職種などは挙げられるわけではありませんが、逆にどんな場においても、スライドに書いたような才は重宝されると思いませんか?

ここで、自分の働き方の話になり恐縮ですが…

わたしはライター業・編集業・校正業を25年近くやっています。

書く仕事では、企画・取材・整理・分析・執筆・調整・折衝などが発生するわけですが、まさに細かさと注意深さ、聴く力など、つまりD・E・S的な面が求められることが多いです。

「自分の特性を活かそう!」という前提から選んだ職ではありませんが、第六感的というか、無意識に自分に合うものを察知してたぐり寄せたような気もします(このへんがHSPっぽいですね)。

組織に属するのは苦手ではあるものの、フリーランスという少し外側の立場から、企業や団体、個人のクライアントさんに、よい距離感で、丁寧に注意深く携わるスタンスでいられることで、逆に双方に取って仕事の生産性はいいのではと感じています。

行政の臨時職員をしていた時期も、いっときありました。

窓口業務だったので、それはそれでHSP的な特性が活きた感があって、その人が置かれた場所で、持って生まれた特徴を生かせたら、全体の生産性や調和性、QOL(人生の質)も上がるのではと思います。

HSPさん、どんなことに気をつけて過ごせばいい?(まとめ2)

最後に。

とは言っても、やはり「感じやすい・刺激に圧倒されやすい」HSPさんが、気持ちよく生きていくためにはどんなことに気をつけていけばいいのでしょうか?

それは「自分をよく知ること」に尽きると思います。

たとえば、D・O・E・Sの4つの特徴のうちどの要素が強いのか、どんなグラデーションになっているのか。

人と会うときはどれくらいの時間、回数、人数、広さ/狭さまでなら許容できそうか。

仕事案件はどれくらいまで抱えられそうか。

ひとりになる時間は、1日のうち/1週間のうちどれくらい必要か。

自分にとっての刺激物(カフェイン、薬、添加物、衣類のチクチク、暑さ寒さなど)の確認。

このような日常のことに関する「トリセツ」を作ることは、刺激量のコントロールのためにも有効です。

また、いつも外界へのセンサーが働きすぎてしまうHSPさんは、「人の感情」もよく拾ってしまい、ダメージを受けたり、同化しすぎたり、ということもあるかもしれません。

センサーを内側に向けて、自分の感情と自分以外の存在に境界を引くイメージを、意識して強く持っているといいようです(それが難しいのですけど…)。

これもいろいろな方法があるかとは思いますが、日頃から自分だけのライフブックを作る感覚で、自分研究を重ねていくことではないかと思います。

敏感であるがゆえに、悩ましいこともあるかもしれません。

ただ、違う人にはなれないのです。

ひといちばい敏感な気質を、自分らしさやアイデンティティとして受け入れ、大事に扱っていけたらと思います。

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プロフィール
藤島 美香子
藤島 美香子
一人ひとりにフィットした働き方・生き方を考えるひと
ユニークな発達特性・気質をもつ一男一女の母。自身もHSP気質。「波乗りのような子育てを、笑いと知恵でどう乗り越えるか」をテーマに日々生きています。ライター業を20年続けながら、多様かつ小さい働き方をウオッチ。つねに何かを学んでいたい性質。現在は、ワーキングメモリのことと分子栄養学を勉強中。「ゆる脱力系」と言われます。
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