不登校の進路、王道ルート「以外」も知っておこう
最近のご相談で多いのは「高校で不登校になってしまったんだけど、どうすれば?」というもの。
義務教育のうちは、通っても通っていなくても「卒業」を迎えられますが、高校となると話は別。
単位が取れないともう一年やり直しになることもあるし、もう通えないかもとなったら、休学、退学、転学、就職、アルバイト、ニート…
どれがお子さんに合っているのか、道を探ることになります。
うちも、子どもが高校2年生の6月に「もう通えない」が発生しました。
ちょっと予測もしていたので、やはりきたか…という感じで不安もよぎりましたが、その際のドタバタを通じて感じたのは「意外といろんな道があるし、なんとかなる!」ということ。
まず、その時は公立の定時制高校だったので、担任や学年主任に相談しにいきました。
すると
①定時制は5年間在籍可能なので、一旦「休学」にする。
②もしくは定時制の課程を「1部(午前中の部)」→「通信制」に変えて、基本在宅授業&月数回のスクーリングにする(ただし制度上2月まで変更できない)。
いずれはどうか? という提案がありました。
その時は、体調不良があっていつ回復するか見通せないということで、休学はなしに。
通信制の部に変えてもよかったのですが、「半年間をただの空白期間にして棒に振るのも嫌だ」と言うので、結局そこの高校は辞めることに。
担任の先生たちは案外あっさりと、スムーズに事務手続きしてくださり。
「うちの高校だけじゃないし、もっと合うところがあれば見つかればいいね」と励ましていただきました。
そうして、次に検討したのが通信制の高校への転学。
3つ候補があったので、それぞれ相談と説明を受けに伺い、各校の特色を比較検討したうえで決定。
③通信制高校の、基本在宅授業&週1回だけ通学するコースへと転学したのでした。
公立から私立(民間)への転学にはお金もかかりましたが、手続きにかかったのは1ヶ月弱。
かなりスピーディーに転入できたことと、夏休み中に転学先で補習を受けることができて、2年生の単位は2年生のうちに全部取ることができました。
その後はそのまま順調に通信制高校で単位を取り、卒業。
現在は通信制大学へと進学し、高校のときとさほど変わらない生活スタイルをキープしたまま、自宅で過ごしていますが、
④もし高校で単位を落として卒業できなかったとしても「高認(高等学校卒業程度認定試験)」という国の制度を利用して、進学できる仕組みもあります。
(旧 大検といいますね)
最終学歴が「高校卒業」とはなりませんが、合格者は高等学校を卒業した方と同等以上の学力があると認められるので、大学・短大・専門学校の受験資格が与えられます。
また、公務員試験や国家資格受験(一部ですが)、就職等に活用することもできます。
ちなみに「高認」は年2回受検できて、マークシート式、過去問も公開されています。
実際にうちの子の周辺でも、ごく一部の単位を落としてしまったので、必要な科目だけ「高認」受験して(在学中に)、進学していく子も何人かいました。
うちの子が選択しえたルートが、これだけでも4つはあるわけですが、中退してアルバイト、就職という道もあるわけで…
普通高校から定時制の通信制へ転学するケースもありますし、ネットの通信制高校(さらにスクーリング日数が少ない)を選択する子もいます。
こういったいわば「王道以外」のルートがあることを知り、考えることができたのは、わたしにとっても貴重な体験でした。
学校では「王道以外」について、積極的に教えてくれることは少ないかと思うのですが、知らないだけで、案外いろんなルートがあるんですよね。
知らないと将来どうなってしまうのかと、ただただ不安にのみこまれてしまいます。
でも、知っていると明るさ、かるさに通じていきます。
ビジネスの現場では、つねにA案、B案、C案くらいまで考えて、ベストな方策を選択するのは通常のことでしょう。
その発想とか情報収集って、教育分野にも必要で大事だよなと改めて感じます。
もともと、私自身「すんごく生真面目」な性格だと思っていて(自分だけかw)。
物事に変化球で来られたとき、すんごくまともに受けとめ、ストレスも抱っこしがちでした。
とくに、子どもたちが不登校になりはじめた頃って「学校に行かせないと!」という発想に縛られていたのですが、今は10年前に比べて本当にいろんな道や場があるし、社会全体も、大分おおらかになってきています。
年齢もそれなりに重ねてきたせいなのか、今は「良い加減」になってきて、窮屈な視野と発想にならないようにしよ〜っと、逆にふざけすぎ?というくらいのスタンスで、日々過ごすようになってしまいました。
物事のルートはひとつだけじゃないし、融通や、やり直しのきくことも多い。
世の中案外やさしいのでは? と感じます。
深呼吸して、重く受けとめすぎずにいきましょう。